野菜を育てるということ
先にインスタグラムでは野菜の苗を買ったり、育てる様子を投稿していましたが、こちらのブログではもう少しそこからの子どもの育ちについて触れます。
ことの始めは5月上旬、年長児がホームセンターコーナンに野菜の苗を買いにいきました。これは去年から始まったことで、今年もぜひ行いたいということで実施になりました。
苗を「自分たちで選ぶ」ことは、単なる買い物を超えた学びになります。そもそも、「私たちは何を育てたいか」という事をそれぞれのグループで話し合っています。「サラダが食べたいからレタスがいい」「みんなでスイカが食べたい」 どれも素敵な理由です。
「どれにしよう?」「これは大きくなるかな?」と考えながら選ぶ課程は、子ども自身の意思決定を促しています。また、写真の子どもの口角の上がり方に注目していただきたいです。本当に、とても楽しかったんですよね。



また、私もこの場所に同行していましたが、種を探している時に大きな異音が店内を響かせていました。「何の音だろうね? 音のする場所探してみる?」と子どもに尋ねると、「うん!いきたい!」と返事がありましたので店内をお散歩。すると、大きな音は金属を切り落としている音でした。
加工をしていた方に「見ていてもいいですか?」と聞くと、「どうぞ、火花が飛ぶから離れてね」と答えてくれ、少し離れた場所から切り落とす場面をみると火花の大きさにみんなまぁびっくり。笑 こういった想定していない出来事を楽しむことが大事だと思っています。

また、ホームセンターへの買い物は、知育の人々との出会いやかかわりが生まれる場でもあります。挨拶をしたり、売り場の人に尋ねたり、今回のようにお客さんに話しかけてみたりする中で、社会との接点を持つ経験になります。レジの方もとても丁寧に対応してくださいましたし、私たちが階段で3F→1Fに下りているのを見て「大変だからエレベーター使っていいんだよぉ」とご年配の方が気にかけてくれたり、ただただ「かわいいねぇ」という眼差しを向けたりもしれくれます。


買ってきた苗を植えて、育てる。私はこの活動もとても意義があることだと考えています。
何故かというと、第一に「食べるモノは買うだけではない」ことを知れます。何でもそうですが、自然と「イチゴ」が出来上がって自分たちの口に入れられるわけではないのです。育ててみることで、食べ物がどのように育つかを体験的に学びます。


「にんじん」を育てたいグループは、実は買い物に行くと「カラフル人参」というパッケージに目がいって、「これがイイ」となったんです。でも、撒き時を調べてみると少し時期がズレていました。そのことを正直に子どもたちにも伝え、「出来ないかもしれないけど、やってみる?」と伝えると「うん」と答えます。こういった意思決定を子どもに委ねることも大切。(その後芽は出ています!)
また、今年印象的なのが子どもたちがよく植物の世話をしてくれているんです。ふと目をやってみると「今まで接点あったかな?」と思う年少児同士が一緒に水あげをしてくれていて、「野菜を育てる」という活動が人間関係にまで良い影響を与えていました。


こうやって間近で日々観察することで「花が咲いた!」「虫がきてる!」と日々の変化にも気付きます。自然に対する興味や好奇心が生まれます。



今年度改めて振り返ってみると、本当に色々な学びや育ちがあることに大人も気付かされます。正直なところ、そもそも苗を育てるということを知らない子どもも多いので(当たり前です)、引っこ抜いてしまう場面も時々みられました。けれど、こうやって周りの人たちが愛着をもって育てている姿を見ることで「これは大事なものなんだ」と理解してくれたのか、最近は抜かれることもなくスクスクと成長しています。
今日も「スイカどうかな」と手を繋ぎながら、植え付けて2週間の苗を見にくる子どももいました。何とも愛おしいなと思いながら見守っている最中です。