鯉のぼり
少し前のお話ですが、5月5日の子どもの日に向けて鯉のぼり製作を行いました。
年長組は1クラスで1つ大きな鯉のぼりを作っています。問題は「真っ白な鯉のぼりを何色に塗ろうか?」です。
年長児が一人一人の顔が見えるように輪になり、話し合いをします。
予め決められた色にするのではなく、みんなで話し合って色を決めていく。
「赤・青・黄・ピンク・・・」一人一人が「こんな色がいいかな?」と考えて発言してくれています。
この活動で大切なのねらいの一つに「言葉による伝え合い」があります。
「自分はこんな理由でこの色がいいと思う」
「私はこう思うよ」
自分の気持ちや思いを伝え、保育者や友達が話を聞いてくれる中で言葉のやり取りの楽しさを感じ、そのやり取りを通して相手の話を聞いて理解したり、共感したりするようになっていく。このような経験を繰り返していくことで、自分の話や思いが相手に伝わり、相手の話や思いが分かる楽しさや喜びを感じ、次第に伝え合うことが出来るようになっていきます。
せっかく幼稚園という色々な子どもがいる中で、多様な考え方に触れて欲しいと願っています。
そんな中で決まった各クラスの鯉のぼりの色は青と虹色。
青はクラスカラーの色。「見た時にひばり組って分かった方がいい」と青色になりました。
もう一つは虹色。
虹色に決まった経緯は、たくさんの色が候補として出ていくなかで子どもから、
「緑色(クラスカラー)と虹色で半分にしたらいいんじゃない?」との意見がありました。
その意見が出たあとに周りの子どもたちも「いいねぇ!」と共感が生まれ、決まりました。
まさに「言葉による伝え合い」から生まれた鯉のぼりたち。
5月上旬に園庭を元気に泳いでくれていました。外に飾ることで他学年の子どもにも目に留まり、「なんで虹色なの?」と聞かれます。
「みんなで話し合った」ことを他児が知ることで、「そういう考え方・やり方があるんだ」と広まっていきました。子どもたちの対話から生まれた二つの鯉のぼりたちのお話でした。