AでもBでもない、新しいモノ

　子どもの日に向けて鯉のぼり製作をしました。以前はクラスカラーに塗ってもらうことが多かったのですが、数年前から「真っ白な鯉のぼりを何色にするか」は子どもたちに考えてもらっています。狙いとしては「決まった答えがない問いについて、共に考える」ことがあげられます。

　子どもたちが大人になる１０数年後は、予測困難な社会とも呼ばれています。そういった時代を生きる子どもにとっては、この「決まった答えがない問い」について考えるという経験は、困難な壁を乗り越えようとする力にも繋がります。

Aくん「本物のこいのぼりに無い色はどう？」
Bちゃん「みんなが出してくれた色の虹色にする？」
Cくん「つばめの色だからきみどり！」

　自分の意見も出しながら、他者の意見も尊重する。そういった積み重ねを子どものうちから経験することで、AもB案もダメだった時、「じゃぁD案はどう？」と柔軟に考えられるようになります。

　年長組が話し合った結果は「候補全部の色を使った虹色」と「幼稚園のクラスカラー全部」。素敵な答えを導き出したなと思いました。別に単色だったらそれでもいいし、２色でも何でも、「皆で決めた」ことが本当に素敵です。時間をかけてみんなで決めたことには意欲も生まれるし、させられる経験より大きな意味があります。

子どもの成長を願う鯉のぼり。大きな意味を成して空を飛んでくれています。