夏休みが明けて
今年の夏は有難いことに色々な研修会等にお声がけいただき、充実した夏を過ごせました。
コロナが5類に移行したことで多くの研修会が対面で行われるようになりました。数年ぶりにお顔を合わせる方や、昨年当園に実習に来て新任として活躍されている方など本当に色々な方にお会いして話すことが出来て大変貴重な機会となりました。
8月下旬に園に新しい遊具としてやってきた「ガチャポンプ」も、昨年度研修会で伺った園にあった物で、遊びが豊かになるようにと購入しました。砂場から水場への距離が遠く、子ども同士が一緒に水を汲みにいったり役割分担をする姿もあったのですが、これを砂場近くに設置したことで子どもたちにこんな変化がありました。
初めはやはりレバーを押し下げすると水が溢れてくる楽しさ・不思議さ・面白さを十分に感じていました。流れてくる水を手で受け止めてみたり、バケツで汲んだりおままごとに使ったりする姿がありました。
やりたい子どもたちが増えてくるので、なんとなく「一人三回までにしよう」と子どもたちの中でルールが生まれ、更に「やりたい人は並ぼうね」と声をかけ合っています。一人でやるのが不安そうな年少児には、上の学年のこが「一緒にやる?」と声をかけ手伝ってくれています。言葉によるやり取りや、自分たちでルールを作り守ろうとする社会性や規範性、思いやりの心が育っていることが見てとれます。
相手に同意を得た上で一緒に水を汲む。自分の気持ち・相手の気持ち。
モノとの関わりが更に発展していくと、水の流れを見て「舟を流してみよう」と試す子どもも出てきました。何回も繰り返すことで「汽車」と「舟」では流れ方が違っていました。『なんで舟は流れないんだろうね?』と子どもに聞くと、汽車と舟を裏返して「裏の形(接地面)が違うからかもしれない」と仮説を立てて、今度は汽車の上に舟を乗せて流れるかを試していました。想像力や思考力の育ちが見て取れます。遊びのいいところは、こういった姿を周りにいることで知ったり、気付いたり、自分なりの考えや遊び方が生まれるところだと思っています。
ガチャポンプは本当に遊具の一部であり、遊具がなければ遊びや育ちがないのかと言われるとそうではありません。縄跳びをしていた年長児が「一緒に13回跳べたんだよ!!」と嬉しそうに伝えに来てくれました。この姿もまずは、
・双方が縄跳びが跳べるという身体的・発達的な育ちがあるということ。
・今までのお互いの信頼関係が構築されていること。
・一緒に跳ぶ というやり方を兄姉から伝承されていること。
などがあげられます。「お姉ちゃんとやった時は11回だったんだ」と、それを超える回数を跳ぶことを二人で目標としていました。友達と十分に関わって生活が展開されていること、相互に刺激し合っていることが分かります。
その後には縄跳びを交差させて、「こういう跳び方もあるんだよ」と更に楽しんでいる姿がありました。どの研修会に参加しても「遊びは子どもの成長に大切なものである」ことがベースにあり、それを夏休み明けの子どもたちの姿を見ることで、改めて子どもたちにも教えてもらいました。