第55回運動会

少し暑いくらいではありましたが天候に恵まれた秋晴れの中、第55回運動会が開催されました。
開催にあたりましてお子様は勿論のこと、保護者皆様のご協力もあって予定より1時間程早く終了することができました。ありがとうございました。



そもそも今年の気温が異常なほどに暑く、園庭に出て活動したのは9月下旬の10日間程だったと思います。そんな中でも園庭にトラックの白線が引かれると学年分け隔てなく駆けっこをしていたり、他学年のダンスや競技を見ては、一緒にマネてみたりと行事を楽しむ姿がありました。






当日は保護者・子ども共にたくさんの声援と笑顔がありました。担任の元へゴールするはずがお手伝いのお父様の元へゴールする姿など、本当に子どもならではの可愛らしい姿もありましたね。そんなことを沢山の保護者皆様と一緒に愛おしく思えることが純粋に嬉しかったです。コロナが5類になり人数制限も廃止したことで、沢山の祖父母様もいらっしゃっていたのが印象的でした。








実は当日を迎える1週間程前に再度、職員で開催方法に対して見直すミーティングを行いました。他園の運動会を見に行って「全学年一斉に戻す」こと「観覧方法」に対して模索する日々でした。観覧方法だけを取れば学年別で問題ありません。過去の保護者アンケートでも「学年別でよかった」意見と「全体開催・どちらとも言えない」の意見で半々くらいの意見を頂戴していました。それを園の意向として「全体開催」に戻すことが本当に正しかったのか、個人としても大変苦慮しました。






いま手元にあるアンケートでは「全体開催でよかった」という感想しか届いておりませんが、その感想の中でも多かったのが、園として全体開催に戻す理由で挙げた「他学年との関わりを大切にしたい・刺激を受けてほしい」「たくさんの声援の中で開催したい」ことと一致していました。「全体開催に不安もあった」という正直なお気持ちもありましたが、それでも「いい運動会でした」と言っていただけることに胸が詰まる思いです。











行事の一つの目的としてあるのが「子ども相互の育ち合い」だと考えています。幼稚園という集団の中で、子どもは保育者という存在に加えて友達との関わり合いを通して、マネたり刺激を受けたりして自分の世界を広げています。例えば、運動が苦手な子どもも友達が運動あそびを楽しそうに行っている姿をみると「ちょっとやってみようかな」という気持ちが芽生えたりします。

上の大繩跳びをする姿も、年少児は「大縄跳び」という存在をそもそも知らないですよね。知るきっかけは「他学年がやっているのを見た」からです。1人の子がやっている姿をみて、周りの子どもたちも「やってみようかなぁ」と思う。あくまで1例ですが、こういったことが「子ども相互の育ち合い」です。運動会という行事でも他学年の演技・競技を見て「やってみたいな」という思いや進級への期待が膨らんでいきます。
例えば今年の運動会に、「4月から全く体操に興味を持たなかった子どもがいた」と言ったら信じてもらえるでしょうか? 去年のかけっこでは泣いて走れなかったけど、リレーでは自分の走順を立候補して走り切った子がいると言ったら、信じてもらえるでしょうか。一人一人の成長がたくさん詰まっていました。












最後のリレーは本当に多くの声援がありましたね。年長保護者以外からも「年長児の姿に涙する」というお声が多くありました。それも「自分の子どもが年長児になったら。。」という想像をさせてくれた、一生懸命ながらも楽しむ姿を見せてくれた年長児の姿があったからだと思います。
振り返って見てみると、子どもたちの後ろで涙していたり、負けて落ち込む子どもに共感して声を掛けてくれたりする保育者の姿がありました。また、保護者の方が観覧しやすいように、直前号という形で例年より詳細に走順や演技図を手紙で伝えてくれ、アンケートのお声でもありましたが子どもたちが楽しんで運動会を迎えられるように保育者は日々尽力してくれていました。
そういった全ての人の力があって、無事に運動会を終えれたことを感謝申し上げます。ありがとうございました。

保護者の声としてこんな言葉を頂戴しました。
「卒園児たちが園歌を一緒に歌っていたのが印象的でした。この先大きくなっても、すぎの森の教えはずっと生きていくんだと思いました」
運動会という一つの行事は終わりましたが、それを通して育ってきたものは子どもの中に残ります。日々の育ちや保育者・友達との関わりを大切にしながら過ごして参ります。今後ともよろしくお願い致します。